動物と動物虐待について――シルバーバーチの動物観

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レジュメ作成者:スピリチュアリズム普及会 若山明子氏

黒字はスピリチュアリズム普及会、若山明子氏作成のレジュメ

  青字は読書会中に若山氏が語られた内容

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シルバーバーチの動物観のポイント

(動物虐待に対する批判・動物に対する愛)

・動物に対する愛を強調、動物は人間にとって愛の対象、お互いに助け合う関係

・肉食・動物実験は間違い → 摂理違反=罪

・動物に対する人間の残虐性・冷酷性=人間の霊性の低さ・愛のなさ

・地上人の霊性が向上するに伴い、遠い将来には肉食習慣・動物虐待はなくなっていく

シルバーバーチは、霊的視点から見た動物の重要性とその進化について語っている。

@人間と動物はお互いに助け合う関係

動物への愛は動物の進化を促すと同時にその愛を与えた人間の進化も促すという相互関係にある

人間が動物を愛することで動物の進化を促す ⇔ 動物を愛するという行為が人間を進化させる

A動物虐待はすべて摂理違反

肉食・動物実験等すべての動物虐待は利他性の摂理に背いている = 罪

地上では肉食・動物実験・動物虐待をしても罪にはならないが、霊的に見れば摂理違反(罪)である。

B動物に対する態度が人間の霊性を示す

 

地上人の霊性はまだまだ低い。シルバーバーチは、平気で肉食をするようでは愛が無いと言っている。

霊的真理を知らないうちは仕方ないが、間違いであると気づいたなら改めるべきである。

C人類の霊性の向上に伴い、菜食主義が主流になっていく

動物と人間の間には愛の関係が築かれていくようになる。


肉食に対するさまざまな見解・立場

@一般の地上人の見解――「肉食は当たり前」

・家畜を育て殺して食料にすることに疑問を持たない、痛みも感じない ⇔ ペットはかわいがる

・肉は栄養のある優れた食品、健康に必要な食品 → 肉食を正当化

世の中の人は霊的真理を知らないために、肉食が当然であり常識だと考えている。ペットは可愛がりながら肉食を平気でするということは大きな矛盾である。また、栄養のある食品の代表が肉であり、血や肉をつくるので健康になるとされ、肉食を正当化している。実際は肉食をしなくても健康に生きていくことができる。

A地上の宗教の見解・立場

・動物殺害を“悪”――仏教の殺生禁止

日本では仏教の影響で675年に天武天皇によって殺生禁止令が出され、明治時代に入るまでは特別な時を除いて肉食をしてこなかった。その点においては摂理に沿った歩みをしてきたと言える。

・タブーとして特定の肉食を禁止する宗教――イスラム教(豚)、ヒンズー教(牛)など

あくまでも人間の作った宗教教義によって禁止しているだけであり、霊的な視野からの禁止ではない。

B従来のスピリチュアリズムの立場(『シルバーバーチの霊訓』以前のスピリチュアリズムの見解)

・霊界には一切肉食は存在しない、肉食を認める霊界人はいない

・動物に関してはあまり言及していない → 動物より人間の救いを優先

シルバーバーチ以前の霊界通信では、動物の救いの前にまず人間の救いが最優先事項であったために動物に関することはあまり述べられてこなかった。また、霊界に行けば食べる必要がないため、肉食をする必要がないと間接的に肉食を否定しているが、シルバーバーチは積極的に肉食を否定している。


動物を殺害し、食料にすることの間違い――霊的観点から見た肉食の間違い

最近は動物愛護や環境破壊の観点から肉食を止めようという運動や、健康増進を動機としたベジタリアンも増えてきている。このように様々な動機による肉食否定が増えてきているが、シルバーバーチは別の視点から肉食を否定している。

・生命は大霊のもの、人間に動物の生命を奪う権利はない

⇒生命を奪うことは許されない、生命を奪う者はいつか責任を取らされる

(P100/3〜4、P100/後ろから1〜P101/1)

動物も人間も、生命は大霊のものであり、大霊が創造したものを人間が勝手に奪ってはいけない

・人間が飢えに苦しむのは、人間の考え方が間違っているから

⇒地上人類が霊的進化すれば、間違った欲望(肉食)は消滅 (P100/後ろから6〜4)

現代でも世界の死因の第一位は飢餓であり、その原因は人間の考えが間違っているからである。現在の世界人口は71億人であるが、100億人以上の人間がいてもすべての人間が食べていける分だけ穀物は収穫されている。


しかし、その穀物を先進国の人間の肉食のために飼育されている家畜のえさとして使用している。


⇒ 人間が霊的に進化すれば、肉食は消滅し、すべての人が菜食主義になっていく。

・動物を殺して食料にすることが間違っていると知っている → 肉食することは罪 → 罰 (良心呵責)

⇒ 霊性が未熟で肉食が間違いであることを知らない → 罰を受けない(P230/後ろから3〜P231/2)

スピリチュアリストは肉食をすると“良心の呵責”という形で罰を受ける

⇒霊的真理を知るということには責任が伴う!

罪の意識を覚える段階まで進化した人間が、間違っていると知りながら罪を犯す場合、それなりの報いがある。しかし、肉食が健康に良いと思って何の罪の意識も持たずにおいしく食べている人は罰を受けない。それが罪であると知りながら犯す罪にはそれなりの報いがあるということ。罪であるとわかっていてもどうしても食べざるを得ない場合、食べることになることは仕方がない。地球全体の霊性がまだまだ低い現在、完璧に摂理に沿うことは不可能である。

また、健康上好ましくないと説くのは人間的な物質的観点によるものであり、霊的真理を知った人間としてはあくまでもシルバーバーチが説くように霊的観点から見て、動物は愛すべき存在であるから肉食や動物虐待は間違いであるというのが正しい考え方である。

動物実験の間違い――霊的観点から見た動物実験の間違い

・大霊の創造物に対して苦痛を与えることは、いかなる動機からでも許されない(P415/後ろから5)

・動物実験は動機が正しくても(人類の健康のため)摂理違反、間違い(P416/2〜7、P417/1〜4)

・動物を実験材料とした研究からは、正しい治療法は生まれない

人間の病気にはそれぞれに治療法が用意されている(P417/5〜後ろから4)

たとえ動機が正しくても摂理に反すればそれは罪であり間違いである。無抵抗の動物を苦しめておきながらそれを正当化することはできない。医学は動物実験なしに発展しなかったと考える人が多いが、それぞれの病気に治療法が用意されているため、動物実験をしなくてもいずれ病気に応じた治療法が発見されていくことになる。神が用意してくださった治療法は動物実験からは発見することはできない。

動物と人間の本来の関係――霊的観点から見た人間と動物の関係

・人間・動物を含めたあらゆる生命体が神の計画の一部を担っている

⇒動物は神によってつくられた同じ大霊の家族の一員・仲間

⇒動物は人間の霊的成長を促す役割がある、人間も動物を助ける(進化を促す)ために存在している

⇒ともに助け合いながら進化していく関係(P101/後ろから3〜1、P416/8〜後ろから1)

動物は単なるペットではなく、家族の一員であり仲間である。人間が動物を愛することで動物の進化を促進させることができ、同時に動物に対する利他愛の実践によって人間も霊的成長ができる。こうした観点は霊的視野だからこそ持つことができる。地上的視野では決してもつことはできない。

・人間は「愛の力」によって動物を死後も一時的に存在させることができる(P197/8〜11)

動物の死後と霊的進化について

一般的に動物の霊は死後すぐにその動物の種のグループ・スピリットに吸収されるが、人間に愛された動物は一種のパーソナリティを具えることができるようになり、個的存在として一時的に霊界でその形態を維持することができる。

これはシルバーバーチ以前の霊界通信では明らかにできなかった内容で、他の霊界通信ではここまで動物の死後について触れられていない。シルバーバーチによって初めて明らかにされた事実である。

(シルバーバーチによって明かされた動物の死後の様子)

・動物は肉体の死とともに個別性を失い、グループ・スピリットの中に吸収・融合される

・人間の愛を受けた動物の死後(P197/4〜7)

一種のパーソナリティ(個別性)を発現 → 人間の霊に混じって存在する

→ 飼い主が他界した 際に出迎える

→ やがて種の母体(グループ・スピリット)の中に融合し、個別性を失う

人間の霊は死後、地上で発揮していた個別性(パーソナリティ)よりも更に大きな自我(インディビジュアリティ)を持って生活するようになる。一旦大霊の分霊として個性を持てば、永遠に消滅することのない存在である。しかし、動物は死後、その動物の種のグループ・スピリット全体に吸収され個別性を失う。ところが、人間の愛を受けた動物は一種のパーソナリティを保持したまま霊界で一時的に存在できるようになる。そして愛してくれた人間(飼い主)が霊界入りするときに出迎えてくれる。しばらくは地上と同じように動物と愛の関係を持っていられるが、人間が霊界で霊的成長するうちに、更なる成長・進化を望むようになると、動物はその進化のスピードについていけなくなり、やがて関係が薄れてグループ・スピリットに戻る。人間の愛を受けた動物の魂がグループ・スピリットに戻ると、その種全体の進化が促進される。犬が一番進化しているとシルバーバーチは言っているが、それは人間と犬が互いに愛を与え合う関係を作ってきたためである。そういう意味で、人間が他の創造物を愛することでその進化を促すことができるという「神の代理者」としての責任がある。


・動物はグループ・スピリット全体に対して摂理が働く(一匹ごとではない)(P199/1〜3)

⇒ 虐待によって受けた苦痛 → 埋め合わせの摂理 → グループ全体の進化が促される

食肉や革製品のために殺されている家畜などはその苦痛を受けた分、埋め合わせの摂理が働いて進化が促進されている。しかし、本来は人間によって愛されることで進化が促進されることが最も望ましく、神はそれを望まれている。

スピリチュアリズムは人類史上最大で最強の動物愛護運動

・スピリチュアリズムは根本的な動物問題の解決を目指し、動物愛護思想を説く

小手先の解決方法ではない。愛の仲間であり、家族である。霊的仲間であり、愛さなくてはならない存在であることを認識したうえでの動物愛護思想であってはじめて根本的な解決となっていく。

・シルバーバーチの登場によって、人間だけでなく動物も含めたあらゆる生命体に対して愛を注ぐ新 しい時代になった(動物も含めたより広い博愛主義の時代)

・スピリチュアリズム運動の一環として、霊界サイドからも地上に向けて動物愛護運動の働きかけがなされている――霊界サイドの責任者が聖フランチェスコ

シルバーバーチの霊訓の中でも何度も聖フランチェスコが動物愛護運動のリーダーであると言っている。動物愛護運動の背後には霊界からの多くの応援がある。

・スピリチュアリスト――肉食はしない、菜食主義の手本を示す、肉食主義者はスピリチュアリスト失格

動物も皆が仲間であると自覚したなら、意識して肉食を止めていくことが求められている。

・霊的真理の普及に伴い、地上世界から肉食の習慣と動物への虐待が消滅していく(長い時間が必要)

・肉食習慣は地上人類全体の霊性レベルを示す指標

肉食をする人が減ることが、霊的真理が広まり、人類全体が霊的成長しているという指標となる。

・環境問題よりも動物問題の解決を優先すべき、動物問題は環境問題よりも深刻で重要性が高い

環境問題も動物問題も、利己主義と物質中心主義という二つのガンが原因となっているが、環境破壊よりも動物虐待の方が愛すべき動物を守るという義務から考えると重要度が高い。霊的知識を備えたうえでの動物愛護運動者は、深い知識を持った最強の動物愛護運動ができる。

※人間と他の創造物の霊的成長に関わる部分の全体像さえ把握したなら、知的好奇心を満たすために枝葉末節まで深く追求するよりも、日々の実践の方を大切にすべきである。


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