11章 進化の土壌としての地上生活

一覧 > 2015年2月 > 霊的成長について

レジュメ作成者:スピリチュアリズム普及会 若山明子氏

黒字はスピリチュアリズム普及会、若山明子氏作成のレジュメ

  青字は読書会中に若山氏が語られた内容

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テーマ:霊的成長について

本文を読むだけでは体系的理解が難しいため、まず、霊的成長について基本的なことを整理しておきましょう。

●真の救いとは

 世の多くの宗教は、自分たちの所属する宗教に入信すれば救われる、祈りやお布施、行をすれば救われると言っている。しかし従来の宗教では、真の救いとは何かと問われてもはっきりと答えることができなかった。 人類史上初めてシルバーバーチが「真の救い」について明らかにしてくれた。それは「霊的成長をすること=神(大霊)に近づいていくこと」である。霊的成長をして神に近づくためには、神と神の創られた摂理について正しく理解し、摂理に自らを合わせていくことが必要である。 従来の宗教では神は人間と直接的な関係で、多く祈るほど神は願いを叶えてくれると考えてきた。しかし、シルバーバーチは、人間と神とは間接的な関係で結ばれていると説いた。神はまず摂理を創り、それを通して人間と関係を持っている。だから万人に平等・公平なのである。 「愛の神」「創造主としての神」は多くの宗教が説いているが、「摂理の神」という神観はシルバーバーチが初めて明らかにした画期的な内容である。

 摂理は万物を調和させるために創られた。摂理に一致させる努力によって霊的成長していくことが真の幸福である。真の幸福とは、「健康」や「家庭円満で笑顔で過ごせる」といった地上かぎりものではない。真の幸福とは霊的なものであり、地上的な小さな次元のものではない。一人ひとりが神の摂理に沿う努力をする中で霊的成長をする、それこそが真の幸福である。一人ひとりが霊的成長し救われる、そういう人間が増えることによって地上天国が招来される。

 地上人生の間に、霊的成長が大切であると知ることができたことは幸福なことである。世界を見渡せばその日を生きることすらままならない人々が大勢いる。命を繋ぐだけで必死な人に霊的成長をしましょうと言っても無理である。地上人類すべてが真理を手にして霊的成長のできる世界にならなければ真の幸福(地上天国)は訪れない。霊的真理を手にし、それを実践する人が増える程に地上天国に近づいていく。

 摂理は人類に知られていないものも含めて数多くあるが、11章では「霊的成長に関する摂理」について学ぶ。



霊的成長のための摂理

@霊優位の摂理

 人間は霊体と肉体の二重構造である。「霊」は神の分霊であり、その表現形態として霊体と肉体を纏っている。霊体には霊の心、肉体には肉の心があり、その2つを一つの「心」として感じている。地上生活では、霊の心を優位にし、本能に基いている肉の心をコントロールしていかねばならない。 本能は肉体を維持するためのもので、利己的な方向性を持っている。本能をコントロールする努力をしなければ、食べたいだけ食べ、寝たいだけ寝る、といった肉体の放縦に流されてしまう。地上人は意識しなければ肉主霊従の状態に傾いてしまう。意識的に心を引き上げ霊主肉従の努力をすることで霊的意識が鍛えられ、霊的成長の歩みができるようになっている。

A利他性の摂理

・利己の反対を実践すること=利他愛の実践

・利他愛の実践には必ず自己犠牲が伴う

B償いの摂理(カルマ清算の摂理)

 摂理から外れた分だけカルマとして残っていく。身近な例を挙げると、食べ過ぎるというのは肉体が要求するちょうど良い量から外れるという小さな摂理違反で、そのカルマはお腹を下すなどの結果としてすぐに表れる。一方、殺人や他者を搾取する、不幸にするといった大きな摂理違反をするとその結果はすぐには現れず、カルマとなって来世に持ち越される。地上人生を終えた後霊界で、かつて自分が地上で犯した罪によって苦しむことになるが、犯した罪によってはそれだけではカルマを清算することができず、再生人生において苦しみを通してカルマを解消することになる。 カルマ清算のための苦しみは摂理違反の償いである。これらは霊的成長のために与えられるので、苦しみは避けるべきものではなく良いもの、不可欠のものである。

C自己犠牲の法則

 自分を犠牲にして相手に尽くすことであり、利他愛とセットである。自己犠牲は辛く苦しみを伴うが、それを甘受することで霊的成長が促される。 摂理に一致させる努力をすることが真の宗教であり、宗教教義、礼拝、儀式、聖堂、その他、信仰上必須と信じられてきたこれらのものは一切不要である。また、正しい宗教の理解は、正しい神観の理解によってしか成されない。 このように霊的成長をする正しい生き方をするためには、正しい神観と正しい摂理の理解が必須である。 



正しい人生・正しい生き方とは=霊的成長する生き方

霊的成長する生き方――摂理に一致した生き方

    @ 霊優位の努力

    A 利他的努力(利他愛・サービスの実践)

    B 苦しみを甘受する努力

※苦難を通して人間は霊的成長する……苦難の思想・哲学(シルバーバーチの特徴)

――苦難はよいもの、ありがたいもの(世間一般と正反対)

 シルバーバーチの特徴の一つは「苦の哲学」である。地上の大多数の宗教は苦しみから逃れる方法を説いているが、シルバーバーチは苦しみを受け入れることで霊的成長ができると説いている。遭遇する苦しみにどう対処していくかが大切である。摂理を正しく理解することで、苦しみの先には必ず霊的成長が待っていることがわかり、苦しみを乗り越える力が湧いてくる。神は我が子が永遠に苦しむようには摂理を創っていない。霊的成長によって必ず喜びが得られるように摂理を創っている。


「シルバーバーチの霊訓」――地上人にとって最高の人生の指標

苦難の意義

シルバーバーチによる苦しみの捉え方は、これまで地上において考えられてきたものとは180度違う。それは、積極的に苦しみを受け入れ、霊的成長をしようというものである。

1. カルマを切って霊的成長リセット

 カルマが足かせとなり、一時的に霊的成長が停滞してしまう。苦しみを味わうことによってカルマを清算し、もう一度霊的成長の道がリセットされる。

2. 霊的覚醒をもたらす

 苦しみの最中、この物質世界に何一つ頼るものはないと悟った時、霊的覚醒がもたらされる。また、霊的真理を知った上で苦しみを甘受していくことで更に深い霊的覚醒がもたらされるようになる。

3. 魂を鍛える

 耐える気持ちが与えられるように祈る。苦しみから逃げず乗り越えていくことで、霊的視野を持つことができるようになり、魂が鍛えられ霊的成長ができる。また、霊的視野を持って生活できるようになると霊界との絆が深まっていく。

4. 愛の心、同情心を深める

 苦しみ、辛い思いを体験した人ほど同情心、思いやりの心を持てるようになる。苦しむ人の気持ちを分かってあげられる。

5. 霊との絆の強化

 祈りによって霊的意識を持つことで自分から神へと近づく努力をする。祈ることで霊界との絆が深まり、霊的エネルギーを充電することができ、意識的に霊主肉従の状態に立たせることができる。


永遠の霊的成長の摂理

・宇宙・万物・人間・動物すべてが進化する――「進化の法則」

  人間は永遠に霊的進化・成長をする存在として神に創造された。動植物も進化し、宇宙そのものも常に進化し続けていることは天文学でも解明されてきている。進化のスピードは人間が一番早い。



地球は今も進化の途上であり、地震などの天変地異はその進化のしるしである。また、たとえそれによって死んでも不幸ではない。死とは霊界への新たな誕生であり、自然現象の一つに過ぎない。死は不幸どころか、霊にとっては地上生活を頑張った暁に得られる褒賞である。この観点があれば死を不幸とは思わない。

・人間の場合

  本体である分霊(ミニチュアの大霊)は永遠に存在する

  地球という物質世界を出発点として永遠に霊的成長・進化する

                  ↓

            「永遠の霊的成長の摂理」


 人間は霊としては初めも無く終わりも無いが、初めて肉体に宿った時点から個的存在としての個性を発揮し始め、そこから永遠の霊的成長・進化の歩みが始まる。一方、肉体に宿ることなく初めから霊的存在として進化の歩みをするのが天使である。

 現在の地上人口71億人のうち、初めて肉体に宿って地上に誕生した霊もいれば、再生人生を歩んでいる人もいる。初めて肉体を持って誕生する場合、未開地などで基礎的な人間関係を体験するところから始めることが多い。そうして地上に再生をするたびに霊的に進化し、いずれは再生しなくても良い段階まで到達するが、その先も永遠に霊的成長の歩みをしていく。しかし、何故人間が永遠に霊的進化するように作られたかはシルバーバーチにもわからないと語っている。


・人間にとって最も価値あるもの=霊的成長 → 霊的成長至上主義

 シルバーバーチの語る真理の中心は、地上に救いをもたらすために最も大切な「霊的成長」についてである。それは、一人一人が霊的成長をすることで地上のさまざまな問題が解決に向かうからである。肉体は大切な霊的成長のためのツールだが、それ以上に霊的成長が大切。


※霊的成長至上主義

・人間にとって最も重要なもの・価値あるもの=霊的成長(生命・健康・お金以上に大切なもの)

・「シルバーバーチの霊訓」の人生観の中心・土台

   人生の大目的=霊的成長

   霊的成長できない人生=無駄な人生

・霊的成長が「シルバーバーチの霊訓」の価値観・善悪観・幸福感の中心・基準

 霊体と肉体は密な関係にあり、両者の連携(調和)がたいせつである。地上においては霊肉のバランスをとっていくことで霊的成長が促されるようになる。霊的成長ができない人生は無駄な人生であり、霊的真理を知った者は自分の霊的成長のみならず、いつか全ての同胞一人一人が霊的に成長できる人生を送ることができるように祈り、できることをしていくべきである。

 また、幸不幸、善悪を決めるのも霊的成長である。



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